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​市営住宅の在り方について

市営住宅の在り方はもう古い⁉

【維持管理含めた運営上の財政的な問題】

【世帯減による土地余り~空家問題と重複する課題】

【地方では​大型建築物のメリットがデメリットになる】

コンパクトな市営住宅提供を!!

公営住宅は憲法第25条(生存権の保障)の趣旨にのっとり、公営住宅法に基づいたうえで国と地方公共団体が協力して住宅に困窮する低額所得者に対し、低廉な家賃で供給されるもの。であると規定されています。

​私の主張はその意義否定したいということではなく、今後の公営住宅としての在り方が、これまでと同様の考え方、手法で良いのか。もっと有意義な事業運営の方法があるのではないか。さらには、時代が変わるなかでニーズに沿った提供ができているのかということを踏まえ、下記の通り様々な資料を基に政策提言を行って参りました。​

当選1年目から継続して取り組んでいるため、資料の情報が古いものから新しいものが混ざっているものもありますが、新しい資料が手に入り次第更新していきます。

全国的な公営住宅の状況
公営住宅制度について 国交省-3.jpg

・入居可能戸数~4,914戸  (令和元年時点)

・存在する棟数~214棟  (令和元年時点)

・半数以上が建設後30年以上を経過
(耐用年数は47年)

今後多くの市営住宅で大規模改修や建替えが必要となる

旭川市の現状
市営住宅 年齢別入居者数.jpg

全国的な高齢化と同様、市営住宅の入居世帯も高齢化が進み、低層階の申込みの高倍率が続いている。

私Q. 「高齢化が進み、申込の数字を見ても低層階を希望している世帯が多いと思うが、どういう見解か」

​市A. 「高齢者が多くなり、低層階を希望する方が多いのは把握しているが、市営住宅にはエレベーターを完備しているところもあり、一定程度ニーズに沿うことができていると考えている」

そのエレベーターの保守点検・改修費用が高いんです!

そして、ニーズに沿うことができているのなら、低層階の申込倍率が高くなっている現状と矛盾していることになります。

何より、高層階の建物については、建設コストはもちろんのこと、維持管理コストも高額になってしまっています。

私Q. 「事業として見た場合の収支というものが重要かと思うが、収支の現状を伺う」

​市A. 「支出額以上の収入額があるため、収支としては賄えているものと考えている」

私Q. 「この計算には建設時の公営住宅債の償還(借金の返済)が含まれていないのでは?それを含めた収支を伺う」

市A. 「建設にかかわる起債の償還金を入れた収支として1億7,499万2,601円の収支不足となります」(平成30年度の数値)

​↓↓償還(借金の返済)含む過去10年間の収支推移↓↓

償還込み収支推移 補足入り.jpg

平成24年度をピークに、減少傾向に見えますが、現在建替えにより建設中の団地の総工事費86億9千万円の償還(返済)が始まると、また一気に収支不足額も増えていきます。

そして今後も建替えや大規模修繕・改修工事が必要となる建物が増えるため、こういった状況からいつまでも抜け出せないのが明確です。

【高層建設物のメリットとデメリットを考える】

・メリット~少ない土地に多くの世帯が入居できる

      入居世帯管理が楽 など

・デメリット~建設コストが高額になる

       維持管理が高額 など

都心部などの土地単価の高い地域では土地の確保も難しく、高額なためメリットが大きくなるが、土地単価が低い旭川市ではメリットよりもデメリットの方が大きくなってしまいます。

​※現在建設中の市営住宅では1戸あたり2,317万円の建設費がかかっています。

(部屋のタイプが複数あるため、あくまでも平均値での算出です)

​コンパクトな戸建て住宅が建てれてしまうのです…

​■市営住宅の低コスト化を目指す『コンパクトな市営住宅』へ!

①旭川市ではすでに市営住宅への申込みや管理など、民間に委託している。

②民間の事業者さんは市内全域においてアパート・マンションの管理業務を行っており、市内のどこに物件があっても、散らばっていても、適切な管理を行うことが可能。

​③全国的な事例として、民間アパートを活用した市営住宅の提供を行っている。(国からの補助も使える)

上記の①~③の点や、これまで説明した内容を基にすると、今後の市営住宅の在り方(行政としての運用の仕方)というのは変えていかなければならないということがわかります。

・民間アパートの活用

⇒すでに他都市で事例アリ

・市が木造アパートを建設する

⇒事例無いが建設コストや維持管理コストなどを踏まえると、土地を購入して新たに設置してもコストの削減に繋がる

​※民間アパートを活用する場合、家賃補助額が増額になりますが、日常的な建物や土地に関する維持管理費(物件管理費)が無くなりますので、削減できる費用の方が大きくなります。

これだけでも効果はある

そこで、もっと効果的な策は無いかな…と考えました

​空家問題と絡めるとより効果的な解決策と繋げていけるのでは?
​■特定空家を市営住宅に建替え!

空家問題が今後さらに増加するということや、それによって今後どういった現象が起きることが予測されるのかなど、詳細については別途ご説明したいと思いますが、1カ所に集中させる大型市営住宅ではなく、コンパクトな市営住宅を市内全域に分散することで、まずは建設コストや維持管理費を抑えることができ、現在社会的な問題となっている空家問題の解決につなげることで、より効果的な対策となることが期待できます。

・民間事業者が特定空家を買い取って新築したアパートを市営住宅として提供
​・市が特定空家を買い取って新築して提供

⇒特定空家の土地の形状によっては不適合な土地もあるが、上記2通りのどちらにおいても、今後より増加していく特定空家の解決につなげていくのは重要であります。

参考~人口と世帯数の推移

人口と世帯の推移.jpg

旭川市の人口のピークは昭和62年であり、増減しながらも平成の中盤手前あたりからは常に減少を続けています。この状況のなかでも世帯数は上昇し続けており、上記の表では令和2年がピークとなっておりますが、今後、減少が始まると一気に変動していく可能性があります。

市営住宅の在り方については、効果が期待できる方向性を提示することはできたものの、一部民間アパートの活用は行っていくものの、全てをコンパクトな建物にしていくとまでは回答は得られませんでした。

この課題については、即時解決できる問題ではありませんので、今後も現状の調査や各種データ化を進めながら、より効果的な対応を行っていただけるよう、引き続き取り組んで参ります。

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